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[book] ユビキタスとは何か―情報・技術・人間

「TRONプロジェクト」の提唱者でプロジェクトリーダー、そしてユビキタスの第一人者 坂村健氏著書。

データベースの外部化
インターネットの世界ではデータを手元に置かず、ネットワーク上のサーバに保存・取り出しが主流になりつつあるが、Uコードによって対象が無限に広がるとともに、手軽にそして瞬時に膨大な情報の出し入れが可能になる。

ユビキタス
ICチップとUコードによって、あらゆる作業が自動化&軽減する。

Uコード
モノや場所を識別するために割り当てられる128ビットのシリアル番号。
340,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000個あり、
一兆人の人が、年間一兆個のものに対して、一兆年にわたって割り振ることが出来る。



これで何ができるかというと、業務のオートマチック化以外に
以下のような例が考えられるのではないだろうか。(本当に実現できるかどうかは別として)

脳の補完
 例:自分が興味のあるヒトやモノに対し、随時その場(リアルの世界で)でタグ付けし、後から情報を取り出す。

人間機能の補完
 例:道路などにUコードを埋め込み、脳に直接風景を流し込む(視覚障碍者も普通に歩行&ウィンドウショッピングが可能になる)

人間の脳を補完するどころか人間そのものを拡張しうるドラスティックなイノベーションになる予感。



ただ、Uコードに関して技術的にはすでに実用レベルだが、特に日本は技術を導入する為の制度を整える政治力(ソーシャルイノベーション)が足りない為、標準化するにはまだまだ時間がかかるそうだ。
ユビキタスの解説に留まらず、イノベーションという言葉の真の意味(「技術革新」がイノベーションの全てではない)や、日本をイノベーションの盛んに生まれる国にするにはどうしたらよいかなどを提言するあたり、本当にユビキタス社会を実現させたいという著者の強い信念が感じられた。

ユビキタスとは何か―情報・技術・人間 (岩波新書 新赤版 1080)

ユビキタスとは何か―情報・技術・人間 (岩波新書 新赤版 1080)

  • 作者: 坂村 健
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 新書

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